「何が映画か―「七人の侍」と「まあだだよ」をめぐって」読了

黒沢明宮崎駿の対談、「何が映画か」読了。

 

http://www.amazon.co.jp/何が映画か―「七人の侍」と「まあだだよ」をめぐって-黒澤-明/dp/4195552729

 

黒沢明の映画の作り込み、時代背景を加味した小道具大道具、

そして天候さえも操る”カミサマ”としての所行に感銘した。

 

当時の映画会社の後ろ盾などでできた作品かもしれない。

それでもそこまで考えた映画を今見る事はできない。

 

宮崎駿監督が黒沢監督に多大なる尊敬を払う一方で、

”同じ時代に生きる監督”として作品の感想を言わないエピソードにはなるほど、と思った。

プロに生きる世界とはこういうものだと。

 

付録としてあったキクさんのエピソードには涙がこみ上げた。

老人ホームにいた方を七人の侍に採用したという話。

人生で一番楽しかったことだったと、そしてその遺影には七人の侍にでたぼろぼろの百姓の服で映っていた写真が使われていたと。

 

 

 

人生には晴れ舞台が必要だ。

死に際にあぁ良かったなと思えるそんな、

晴れ舞台が。